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大相撲の醍醐味
清水 悟
大相撲が盛況である。大相撲の醍醐味はガブリ四つに組んで両まわしを引き付け合う力勝負
や小よく大を制し、弱よく強を制し、軽よく重を制するワザの冴えにある。
古来、相撲道は寄り切り、突き落とし、寄り倒し等正面から正々堂々の正攻法が基本だが、
反面、有利な組み手を取り合う差し手争い、猛烈な突っ張り合い、土俵狭しと動き回るスピー
ド感、土俵際の粘りに粘る躍動感も見応え十分である。
特に小兵力士が巨漢力士に外掛け、内掛けで勝ったり、上手投げ、下手投げ、小股すくい、
足取りを掛けたりする。土俵際に追い込まれながらもギリギリのところでうっちゃり勝ちを決
めれば観客の割れんばかりの喝采を呼ぶ。
勝ってなんぼの勝負の世界。独特の階級社会、格差序列社会である。それだけに横綱、大関
には、品格、風格が求められている。昨今は勝てばよいとの風潮なのか、下位の力士に対して
立ち合いの変化で勝ったり、ハリ手、とったり、引き技を連発する。勝つことも大事だが見事
な負けぷりも大きな魅力、能力のひとつである。
(2015.1月)