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先人の知恵に学ぶ

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清水 悟(2011.12.25)

 地震、雷、火事、親父。津波、原発事故は逃げるを上策と為す。天災は忘れた頃にやっ
てくる。天から下る難を災といい、人から受ける難を患という。
 言葉を替えて表現すれば、大地の怒りが地震であり、天空の怒りが雷、集中豪雨という
ことになる。各地で頻繁に起こっている山火事や火山の噴火は山や火の崇りである。怒る
と恐いのは人間界の親父だが、これは一家の大黒柱としての権威が最近頓に失墜して子供
にも奥様にもだいぶ優しくなっている。
 津波は大海の怒り、竜巻は風の怒りである。原発事故は想定外(技術の未熟さ)の事象
であり、放射能は大気に漂い子供たちの未来を蝕みつつある。そして国会の停滞は議員の
怠慢で感性未発達・人の患(災)だろう。
 日本列島は世界有数の地震と津波と火山の国である。類似国にはニュージーランド・イ
ンドネシア・イタリア等がある。活断層の塊が蠢いている日本列島は四方が全て海に囲ま
れて「津波さん、どうぞ来て下さい」といわんばかりである。
 三陸地方には“津波てんでんこ”という方言の言い伝えがある。津波が来たらてんでん
ばらばらにまず逃げろとの教えである。漁民の命である漁船も津波の予兆があったら、ま
ず沖合にふねを持っていけ。
 漁港で津波を受けたら木端微塵との逃げの知恵が働いている。放射能も甚大な汚染地か
らまず避難する。まずは逃げろとの先人の教えである。

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